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在留資格の厳格化で、何が問われているのか

2026年05月11日 しくみを知ろう

2025年10月、政府は外国人経営者向けの「経営・管理ビザ」の要件を厳格化しました。

背景には、

  • 実態の見えにくい会社
  • 名義貸しの疑い
  • ブローカーを介した在留資格取得

などが問題視されていたことがあります。

現在は、在留資格更新時の審査や、事業実態の確認なども、これまで以上に厳しく行われるようになっています。

SNSでは、

  • 「当然では?」
  • 「悪用が多かったから仕方ない」
  • 「真面目な人まで苦しくなるのはおかしい」

など、さまざまな意見が飛び交っています。

ただ、この問題って、単純に「外国人に賛成か反対か」だけでは整理しきれないんですよね。

実はその背景には、

  • 日本社会が“信用”をどう考えているのか
  • 国が「日本に住む理由」をどう見ているのか
  • オンライン時代の働き方に制度が追いついているのか

といった、もっと大きなテーマがあります。

今回は、「在留資格の厳格化」で今なにが起きているのかを、できるだけわかりやすく整理してみます。

注記注記

この記事は「外国人を受け入れるべきか、排除すべきか」を決めつける内容ではありません。
制度を作る側の事情と、そこで暮らす人たちの現実。その両方を見ながら考えていきます。

そもそも「在留資格」って何?

まず前提として、日本の在留資格は「日本に住む許可」そのものではありません。「何をするために日本にいるのか」に応じて、種類が分かれています。

たとえば、

  • 働く
  • 学ぶ
  • 家族と暮らす
  • 会社を経営する

など、それぞれ条件が違います。

今回話題になっているのが、「経営・管理」の在留資格です。

これは簡単に言うと、日本で事業を行う人向けの在留資格です。ただし、「会社を作ればOK」というわけではありません。

国は、

  • 本当に事業をしているのか
  • 継続性があるのか
  • 日本で納税しているのか
  • 所在地や事務所は実在するのか

などを確認します。

つまり、「日本でちゃんと社会参加しているか」を見ているわけですね。

なぜ今、厳格化が進んでいるのか

背景にあるのは、制度の悪用です。

実際には、

  • 実態のない会社
  • 名義だけの経営
  • ビザ取得だけが目的
  • ブローカーによる仲介

などが問題視されてきました。

特に最近は、SNSやオンラインビジネスの普及で、小規模でも事業を始めやすくなっています。ノートPC1台でできる仕事も増えました。

これは便利な一方で、「本当に日本で事業をしているのか」が、外から見えづらくなったとも言えます。

国側からすると、在留資格の制度が“形式だけ”になってしまうことは避けたいんですよね。

特に「経営・管理ビザ」は、本来、

  • 日本で継続的に事業を行うこと
  • 日本経済との接点があること
  • 社会的な実態を持って活動していること

を前提にした制度です。

そのため現在は、「本当に日本で継続的な事業を行っているか」を、これまで以上に厳しく確認する運用へ変わっています。

ヒントヒント

こうした「一部の悪用によって制度全体が厳しくなる」という流れは、外国人制度だけではありません。
補助金、転売、技能実習、フリーランス制度などでも、似たようなことが起きています。

でも、「ちゃんとやっている人」も苦しくなる

ここが、この問題の難しいところです。
厳格化すると、悪用している人だけでなく、真面目に事業をしている人まで負担が増えます。特に小規模事業者ほど、その影響を受けやすい。

たとえば、

  • 一人で運営しているEC
  • 通訳や翻訳
  • 海外向け中古販売
  • 外国人向けサービス
  • 小規模飲食店

などは、実態としてはちゃんと成立していても、「規模」が小さいことがあります。

さらに外国人経営者の場合、

  • 日本語
  • 契約
  • 銀行口座
  • 賃貸契約
  • 行政手続き

など、日本人でも面倒なことを、外国語環境でこなさなければいけません。そのうえで「もっと証明してください」と言われる。
すると、“悪用対策”が、“真面目な人への負荷”にもなってしまうんです。

「日本で商売する」ってどういうこと?

ここで出てくるのが、“信用”という話です。

日本人からすると、

  • 納税している
  • 契約を守る
  • 所在地がある
  • 継続して事業している

みたいなことは、「社会参加の前提」に見えやすい。

だから、「日本で商売するなら、それくらい求められるのは当然では?」という感覚になる人も多いと思います。

実際、それはかなり自然な感覚です。
国から見ても、「日本に住み続ける理由」を確認するのは、制度として普通のことだからです。
ただ一方で、現代の働き方はかなり変わってきました。

今は、

  • リモートワーク
  • SNS集客
  • 海外向けオンライン事業
  • デジタルノマド

など、「場所に縛られない仕事」が増えています。

すると、「その仕事、日本じゃなくてもできるよね?」という疑問も出てくる。

これはかなり重要な論点ではないでしょうか。

国家の制度は基本的に、“なぜその国にいるのか”を重視します。

そのため、

  • 日本市場との接点が薄い
  • 日本人雇用がない
  • 日本に実店舗もない

といったケースでは、「その事業が、なぜ日本で行われているのか」を、これまで以上に確認する流れが強まっています。

注意注意

これは「外国人だから信用できない」という話ではありません。
国が、“どんな形を社会参加として認めるのか”を考えている、という話です。

この問題、これからどうなる?

たぶん今後、審査はさらに細かくなると思います。その一方で、日本は深刻な人手不足でもあります。

つまり、

  • 外国人を必要としている
  • でも制度悪用は防ぎたい

という、かなり難しい状態。

しかも今後は、

  • 小規模事業
  • オンライン事業
  • リモートワーク

がさらに増えていくはずです。

そうなると、「どんな働き方を“日本での社会参加”とみなすのか」を、制度側も考え直さなければいけなくなるかもしれません。

これは外国人だけの話ではなく、日本人フリーランスにも少し似ていると感じます。

たとえば、

  • 賃貸審査
  • 住宅ローン
  • 銀行口座
  • 与信

などで、「安定していない」と見られることもある。
つまり今は、“昔の信用モデル”と、“現代の働き方”がズレ始めている時代なのかもしれません。

まとめ

在留資格の厳格化は、単純な「外国人問題」ではありません。

背景には、

  • 制度悪用を防ぎたい国の事情
  • オンライン化した働き方
  • 小規模事業の増加
  • “信用”の変化

など、いろいろな要素があります。

そして今、日本社会に問われているのは、「どんな人を、社会の一員として受け入れるのか」ということなのかもしれません。

政治は、法律や制度の話だけに見えます。
でも実際には、

  • 「信用とは何か」
  • 「働くとは何か」
  • 「社会参加とは何か」

みたいな、私たちの価値観そのものとも繋がっているんですね。

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