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与党と野党の役割って?政治を支える“ふたつの力”

2025年11月11日 しくみを知ろう

与党と野党、それぞれの「立ち位置」

日本の政治を語るうえで欠かせないのが、「与党(よとう)」と「野党(やとう)」という言葉です。
ニュースでよく耳にするけれど、「どっちが偉いの?」「なにが違うの?」と聞かれると、意外と答えにくいものかもしれません。

注記注記

与党と野党は、対立しているように見えて、どちらも政治にとって必要な存在です。

ざっくり言うと、与党は「政治を動かす側」野党は「政治をチェックする側」です。
この2つがバランスを取りながら、国の運営が成り立っています。

与党の役割:「決める力」を持つ側

選挙で勝利し、国会の中で多数の議席を持つ政党が「与党」です。与党の最大の役割は、内閣を組織して政策を実行すること。つまり、「国の方向性を実際に決める」側といえます。

具体的には

  • 予算をつくり、国の使い道を決める
  • 法律案を提出し、成立を目指す
  • 内閣を支えるメンバー(大臣など)を選ぶ

など、日々の政治の「実行」を担います。

ヒントヒント

与党の中でも、複数の政党が力を合わせて内閣をつくる場合があります。これを「連立政権」と呼びます。

日本では、長く自民党が与党として政権を担ってきました。
しかし、与党が力を持ちすぎると、「間違っていても止められない」状況が生まれるリスクもあります。

野党の役割:「見張る力」を持つ側

一方で、選挙で少数の議席しか得られなかった政党は「野党」と呼ばれます。
野党の役割は、与党の政策をチェックし、問題点を指摘することです。

たとえば、国会で

  • 政府の方針に対して質問や批判を行う
  • 代わりの政策案を提示する
  • 不正や不透明な政治運営がないかを監視する

といった活動を通じて、政治の健全性を保っています。

注記注記

「反対ばかりしている」と思われがちな野党ですが、本来は「よりよい政治のために議論を深める」ことが目的です。

国民に代わって「なぜ?」「本当にそれでいいの?」と問いかける存在――
それが、民主主義における野党の重要な使命です。

どちらが欠けても、民主主義は成り立たない

政治の世界では、しばしば「与党 vs 野党」という構図で報じられます。
ですが、どちらか一方が強くなりすぎると、政治のバランスが崩れてしまいます。

  • 与党だけが強い → 批判が届きにくくなる
  • 野党だけが強い → 政策が前に進まなくなる

健全な民主主義には、「決める力」と「見張る力」の両方が必要です。

注意注意

与党も野党も「国民の代表」であることを忘れてはいけません。立場は違っても、目指すのは「よりよい社会」です。

この2つの力が拮抗し、議論が生まれることで、より現実的で納得感のある政治が形づくられていきます。

他国との比較で見えてくるちがい

実は、与党と野党の関係は国によって大きく異なります。

例えば、アメリカでは「二大政党制」が基本。
共和党と民主党が政権交代を繰り返しており、与党と野党の入れ替わりがはっきりしています。
大統領が変わると、政策の方向もガラリと変わるのが特徴です。

一方、日本やドイツなどは「多党制」。
複数の政党が存在し、選挙結果によっては連立を組んで政権を運営します。
このため、妥協や協力が欠かせない政治スタイルが根付いています。

ヒントヒント

国によって政治の仕組みは違っても、「権力を分け合い、監視し合う」構造は共通しています。

政治の安定を重んじる国もあれば、競争や交代を重視する国もあります。
それぞれの文化や歴史の違いが、政治の形にも表れているのです。

国民の「声」をどう届けるか

与党も野党も、国民の声を代弁する立場です。けれども、その「声の届け方」には違いがあります。

  • 与党:現実的な政策として実行する
  • 野党:議論を通じて、社会の課題を可視化する
注記注記

野党の提案が、すぐには採用されなくても、後に与党の政策に影響することもあります。

国民が政治を知り、意見を持ち、投票で意思を示すことで、この「ふたつの力」はより健全に機能していきます。

まとめ:政治の“両輪”としての与党と野党

与党と野党は、敵対する関係ではなく、政治を支えるパートナーのような存在です。ひとつは「動かす力」、もうひとつは「正す力」。
その両方があるからこそ、政治は前に進み、間違いを修正できます。

政治を「誰かのもの」とせず、みんなで支えるために――
まずは、この仕組みを知ることから始めてみませんか。

暮らしと政治を“つなげて考える”一歩になるように

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