選挙のたびに、「どうせ1票じゃ変わらない」「誰に入れても同じ」という声を聞くことがあります。でも本当にそうでしょうか? その“1票”が、思っている以上に社会を動かすことがあるんです。
今回は、投票に行く意味や、選挙の仕組みをできるだけやさしく整理してみましょう。
「たった1票」で変わることもある
「1票なんて意味ない」と思いがちですが、実際には数十票の差で当落が決まる選挙もあります。特に市議会や町議会のような地方選挙では、ほんのわずかな差が結果を左右することも。
たとえば、2023年のある市議選では、最下位当選と次点の差がわずか29票でした。1つのクラスや職場の人数ほどの差で、街の方針が変わることだってあるんです。
また、選挙結果は「どんな声が多いか」を国や自治体が読み取るためのデータにもなります。つまり、投票は「意見を見える形にする行動」なんです。
選挙の仕組みをシンプルに
日本の選挙は大きく3種類に分けられます。
- 国の政治家を選ぶ「国政選挙」(衆議院・参議院)
- 都道府県や市町村の代表を選ぶ「地方選挙」(知事・市長・議員など)
- 特別な事情で行われる「補欠・再選挙」
衆議院は4年ごと、参議院は6年ごとに選挙があり、3年ごとに半分ずつ入れ替わります。これによって、政治が一度に大きく偏らないようになっているんです。
比例代表制:政党に投票し、得票率に応じて議席を分ける仕組み。個人よりも「政党の考え方」に注目するタイプの投票です。
地方選挙は、道路整備や保育、福祉など、生活に密着したテーマが中心。だからこそ、「誰が選ばれるか」が、私たちの暮らしに直接関わってきます。
投票率が下がると、誰が得をする?
最近の日本は、投票率がどんどん下がっています。2022年の参議院選挙の投票率は52%。つまり、2人に1人は投票していないということです。特に10代・20代では30〜40%ほどにとどまっています。
投票率が低いということは、政治家が「投票してくれる人の声」を優先しやすくなるということ。結果的に、高齢者向けの政策が中心になり、若い世代の声が届きにくくなる傾向があります。
政治家は票で動きます。もし若い世代がもっと投票すれば、「働く世代に必要な支援」や「教育・子育て政策」などがもっと重視されるかもしれません。
「意味ある投票」にするためにできること
「どの人も同じに見える」と感じたら、まずは“政策”を見てみましょう。選挙公報や公式サイトで、「どんな未来を描いているか」を読むだけでも違います。
迷ったら、「この人なら自分の生活をどう変えてくれそう?」という視点で見るのがおすすめです。完璧な候補はいなくても、自分に近い価値観の人を選ぶことはできます。
最近では、期日前投票や郵便投票も広がっています。忙しくても投票できる時代です。行きやすい方法を選んで、“投票しやすい自分”をつくってみましょう。
まとめ:「どうせ変わらない」は、変わらない理由になる
選挙は、「誰かが勝手に決めること」に参加できる数少ないチャンスです。1票で政治はすぐに変わらないかもしれません。でも、投票しなければ何も変わりません。
あなたの1票は、社会に「こう思っている人がいる」というサインを残します。それが積み重なって、少しずつ社会を動かしていくんです。
「選挙に行っても意味ない」と思う前に、あなたの1票が未来の空気を変えるかもしれない――そう考えてみませんか?