サイト内検索

検索のヒント: 複数のキーワードで検索する場合は、スペースで区切ってください

右翼・左翼ってなに?となりの視点で読みとく “政治のことば”

2025年12月10日 しくみを知ろう

どこから来た言葉?ルーツは「議会の席順」

政治の話題でよく耳にする「右翼」「左翼」。
でも、その言葉がどこから来たのかを知っている人は意外と少ないかもしれません。

起源は18世紀末のフランス革命。
議会で 旧制度を守りたい議員が“右側”に、 変革を求める議員が“左側”に座った ことが始まりとされています。

つまり本来の意味はこうでした。

  • 右翼(Right)=伝統・現状維持を重視する立場
  • 左翼(Left)=改革・変化を求める立場
注記注記

「右翼」「左翼」は“価値観の優劣”ではなく、あくまで“政治的な方向性”を示す言葉として登場しました。

日本での右翼・左翼はどう使われてきた?

日本でこの言葉が広まるにつれ、歴史や社会の流れとともにニュアンスが加わりました。

日本での「右翼」

  • 伝統・文化・国家の重視
  • 安全保障や自衛に関する強い姿勢
  • 経済・社会の急激な変化への慎重さ

日本での「左翼」

  • 個人の自由や人権を重視
  • 福祉や労働環境の改善
  • 「国家」と一定の距離を保つ価値観

ただし、これはあくまで“傾向”。
実際の政党や個人の意見は、右と左にきれいに分類できるほど単純ではありません。

ヒントヒント

「安全保障は右寄りだけど、子育て支援は左寄り」…というように、テーマごとに立場が揺れるのが自然です。

なぜ「右翼」「左翼」はネガティブなイメージで語られるの?

SNSやニュースを見ていると、“過激”“攻撃的”というイメージがつくことがあります。
これは、本来の意味とは少し違う要素が混ざってしまっているためです。

レッテルとして使われる

「あなたは左だ」「あの人は右だ」という言葉が、相手への批判として使われる場面があります。
こうした使い方は、議論を単純化する一方で、本来の考えを見えにくくします。

“極端な一部”の印象が強くなる

過激な言動をするごく少数の人が目立つため、“右翼=極端”/“左翼=過激”と結びついてしまいがちです。

注意注意

立場を表す言葉に感情的な意味を載せすぎると、政治の対話が「敵味方」になりやすくなります。

「中立」が単語として定着していないのはなぜ?

ここで生まれる素朴な疑問。

右翼・左翼はあるのに、“真ん中”を示す言葉はないの?

理由はいくつかあります。

① 「中立」は立場ではなく“姿勢”

中立は「右と左の真ん中」というより、テーマごとに柔軟に考える姿勢を指すことが多いからです。

② 政治のテーマが多様化している

安全保障、福祉、テクノロジー、環境…1つの基準で“中央”を決めるのが難しくなっています。

③ 「中立」は“対話する姿勢”に近い

単に「どちらでもない」のではなく、いったん立ち止まり、理由を考える態度を指すことが多いのです。

注記注記

中立=無関心ではありません。
「自分の価値観を丁寧に確認しながら選ぶ」ことに近い意味を持っています。

では、どう理解していけばいい?

右翼・左翼という言葉に振り回されず、まずは「方向性としての右・左」を知るところから始めると理解しやすくなります。

① 右翼・左翼は“方角”

良い悪いではなく、社会のどちら側に重心を置くのかという違いです。

② 私たちの考え方はテーマで揺れていい

税金、子育て、安全保障、医療…。
ひとつの軸で自分を分類しなくて大丈夫。

③ ラベリングではなく“理由”を見る

立場より「なぜその政策を支持するのか?」を見ていくと、理解が深まります。

ヒントヒント

政治参加は「右か左かを決めること」ではなく、「どんな社会が暮らしやすいかを考えてみること」から始まります。

右でも左でもなく、対話が社会を動かす

現代の問題はどれも、右か左かでは割り切れません。
気候変動、教育、賃金、テクノロジー、地方の課題…。
生活に直結するテーマは複雑で、一つの立場だけでは解決できないものばかりです。

だからこそ、大切なのは、立場より“対話の姿勢”。
互いの背景を知り、「なぜそう考えるのか」を話し合うことが、健全な政治参加につながります。

注記注記

政治は“正解を当てるもの”ではなく、
「よりよい未来へ向けて話し合うプロセス」です。

参考リンク

この記事への反応
この記事をシェア
LINE
前の記事 自治体が「紙」のまま管理を続ける理由を考える 次の記事 無戸籍の子どもたちが抱える“存在していないこと”の痛み