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子ども家庭庁ってどんなところ?“こどもまんなか”の社会を目指して

2025年11月07日 しくみを知ろう

子育て支援、児童福祉、教育、医療――。これまでさまざまな省庁が別々に担当していた分野を、ひとつにまとめたのが「子ども家庭庁(こどもかていちょう)」です。

2023年4月に誕生したばかりの新しい庁で、内閣府の外局として設置されました。スローガンは「こどもまんなか社会」。子どもや家庭をめぐる支援を“縦割り”から“ひとつの流れ”にすることを目的としています。

子ども家庭庁ができた背景

これまでの日本では、子どもに関する政策が複数の省庁に分かれていました。

  • 教育 → 文部科学省
  • 医療・福祉 → 厚生労働省
  • 少子化対策 → 内閣府

その結果、支援が複雑で分かりづらくなり、家庭の立場から見ると「どこに相談すればいいのか分からない」という課題がありました。こうした現状を変えるために、子ども家庭庁が新設されたのです。

注記注記

「子どもを真ん中に置く」という発想から、行政の仕組みを見直す――。それが子ども家庭庁の出発点です。

子ども家庭庁の主な仕事

子ども家庭庁は、大きく3つの柱で動いています。

① 子ども・子育て支援

妊娠・出産・育児を支える制度を整備します。保育所の待機児童対策、育児休業の取得促進、子育て世代への経済的支援などが中心です。

② 児童福祉・虐待防止

児童相談所や自治体と連携し、虐待防止や貧困対策、子どもの安全確保を推進します。子どもが安心して育てる環境づくりが目標です。

③ 若者・教育支援

不登校、ヤングケアラー、いじめなど、成長段階での課題にも対応します。教育や福祉の枠を超え、包括的にサポートするのが特徴です。

ヒントヒント

「子育て世帯」だけでなく、「子ども本人」にも焦点を当てているのが大きなポイントです。

こども基本法と「こどもまんなか社会」

子ども家庭庁の設立と同時に施行されたのが、「こども基本法」です。これは、子どもを“権利の主体”として明確に位置づけた日本初の法律です。

この法律によって、

  • 子どもの意見を尊重する
  • 子どもの最善の利益を最優先にする
  • 子どもに関する政策を総合的に進める
    という原則が定められました。
注記注記

「子どものために何かをしてあげる」ではなく、「子どもの声を聞き、ともに社会をつくる」へ。価値観の転換が起きています。

支援が届きやすくなる仕組み

子ども家庭庁は、地方自治体との連携を重視しています。各自治体に「こども家庭センター」などの拠点を設け、相談・支援のワンストップ化を進めています。

たとえば、

  • 妊娠期からの切れ目ない支援(母子保健・医療・保育の連携)
  • 経済的に困難な家庭への支援金制度
  • 教育・医療・福祉の情報共有
ヒントヒント

「どこに相談したらいいか分からない」をなくすことが、子ども家庭庁の大きなミッションです。

デジタル化による支援の効率化

デジタル庁と連携し、マイナンバーを活用した支援情報の一元化も進めています。これにより、行政手続きの手間が減り、支援がスムーズにつながるようになります。

注記注記

「子ども家庭庁 × デジタル庁」という組み合わせが、今後の行政DXの鍵にもなっています。

課題とこれから

子ども家庭庁はまだ発足して間もない庁です。そのため、制度の運用や現場との連携など、課題も多く残っています。

たとえば、

  • 支援の担い手(自治体・専門職)の確保
  • 現場との情報共有の難しさ
  • 予算の確保と持続的な運営

こうした課題を乗り越えることで、より実効性のある政策が実現されていくと期待されています。

注意注意

制度ができても「現場に届かない」ままでは意味がありません。子ども家庭庁の真価は、これから問われていきます。

まとめ

子ども家庭庁は、「子どもを中心に置いた社会」をつくるための新しい庁です。教育・福祉・医療をまたぐ支援を一本化し、誰もが安心して子育てできる社会を目指しています。

ヒントヒント

次回は、「デジタル庁」について。行政手続きやサービスを“もっと使いやすく”するために、どんな取り組みが進んでいるのかを見ていきましょう。

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