コンビニでジュースを買ったり、給料をもらったり。実はそのたびに、私たちは「税金」を払っています。でも、そのお金がどこに行って、何に使われているのかって、あまり知られていませんよね。
税金は、国が勝手に取っているお金ではなく、みんなで社会を動かすためのエネルギー。今回は、「税金って結局どこに使われてるの?」という疑問を、できるだけわかりやすく見ていきましょう。
税金は“みんなで出し合う社会の会費”
税金には、ざっくり言うと2つの目的があります。
- 公共サービスを支えるため(道路、警察、学校など)
- 生活を守るため(年金、医療、介護、福祉など)
たとえば道路が整備されていたり、消防車がすぐ来てくれたり、子どもたちが学校で学べたりするのも、全部税金のおかげです。もし税金がなければ、私たちの暮らしは今のように安心できるものではありません。
「税金=取られるお金」ではなく、「みんなで社会を運営するための会費」と考えると、少しイメージが変わります。
主な税金と、その使い道
税金には、国に納めるものと、都道府県や市町村に納めるものの2種類があります。大きく分けると、こんな感じです。
🔹 国税(国が集める税金)
- 所得税:働いて得たお金にかかる税金。たくさん稼ぐほど税率が上がる仕組みです。
- 消費税:買い物をしたときに支払う税金。2024年現在は10%(食品など一部は8%)。
- 法人税:企業の利益にかかる税金です。
🔹 地方税(地域が集める税金)
- 住民税:地域の学校、福祉、ゴミ処理など、身近なサービスに使われます。
- 固定資産税:土地や建物を持っている人が払う税金です。
所得税のように、所得が多い人ほど税率が高くなる仕組みを「累進課税(るいしんかぜい)」といいます。お金を多く稼いでいる人が、より多くの税金を負担することで社会のバランスを取っています。
国の1年間の予算は、約110兆円(2024年度)。そのうち、いちばん多く使われているのは「社会保障費(年金・医療・介護など)」で、なんと3分の1以上を占めています。そのほかに「教育」「防衛」「公共事業」などにも使われています。
社会保障費が増えつづける理由
いま、日本でいちばんお金がかかっているのが「社会保障費」です。年金や医療、介護など、高齢化が進むにつれて必要な支出がどんどん増えています。
2024年度の社会保障関係費は約37兆円。国の予算の3分の1以上を占めています。
でも一方で、子育て支援や教育、防災なども欠かせません。どこにどれくらいのお金を使うのか――その“配分”を決めるのが政治の大事な役割です。
税金の使い方を知ることは、「社会をどうしていくか」を考えることでもあります。誰かに任せるだけじゃなく、自分たちの未来の設計図を一緒に描く感覚に近いのかもしれません。
「無駄づかい」って本当に無駄?
ニュースなどで「税金の無駄づかい!」という言葉を聞くことがありますよね。でも、すぐに結果が見えないお金の使い道が、すべて無駄とは限りません。
たとえば、地震に備えた耐震工事や、感染症対策の医療体制づくりなどは、普段は実感しにくいけれど、いざというときに大きな力を発揮します。
短期的な効果だけではなく、「安心して暮らせる社会をつくる投資」として見ることも大切です。
まとめ:税金は“未来への投資”
税金は、「国に取られるお金」ではなく、みんなで社会を支えるためのお金です。道路も、学校も、病院も――それぞれが税金でつながっています。
だからこそ、「どこに使われているんだろう?」と関心を持つことが大事。お金の流れを知ることは、政治を遠い存在から“自分ごと”に近づける第一歩です。
自分の払った税金が、誰かの暮らしを支えている。そう考えると、少しだけこの社会が身近に感じられるかもしれません。